癌に負けない闘病記 難治性性腺外胚細胞腫(精巣癌) ー 治療編 ー |
@性腺外胚細胞腫とは
精巣腫瘍 は20〜30歳代の働き盛りの男性の精巣(睾丸)に発生する悪性腫瘍で、発生率は10万人に約1人程度といわれ,とても珍しい癌です。
たいへん進行が早く、以前は完治が難しい癌でし た。しかし、最近は効果の高い抗癌剤と手術療法の併用で、転移のある癌でさえも8〜9割の確率で完治することが出来るようになってきました。
しかし、なお抗癌剤が効かない精巣腫瘍もあり、肺、リンパ節、骨、肝臓、その他の部位に拡がることがあり、色々な工夫で根治をめざす試みがされています。
性腺外胚細胞腫 は精巣癌の一種で、腫瘍が睾丸でない場所に出来た癌のことで基本的に治療法も同じです。
この癌は 非セミノーマ と セミノーマ の2種類に分けられます。
非セミノーマ の方が癌の進行が速く、放射線治療も効きにくい特徴があります。腫瘍マーカー(血液中の癌の進行とともに増加する特別な物質)は、採血により AFP(正常値10以下) と HCG−β(正常値0.1以下) を計測します。
この数値が癌の進行度合いの目安となります。
A治 療 方 法
精巣腫瘍の治療はまず睾丸に腫瘍がある場合は摘出手術を行い、他に転移がある場合は抗がん剤治療を行なうのが一般的です。
治療は腫瘍マーカーが正常値になるまで行い、それから更に念押しの為に抗がん剤治療を2クールぐらい行います。そして残存腫瘍が1cm以上である場合摘出手術を行い、癌細胞がすべて死滅している場合は治療を終了します。
生きていた場合は、再発予防のため更に抗がん剤治療を2クール以上行います。
またどうしても抗がん剤治療で腫瘍マーカーが正常値にならない場合は、徹底した残存腫瘍の摘出手術を行う場合もあるそうです。
患者さまの状態や病院により多少違いはありますが、これが精巣腫瘍の一般的な治療方法になります。
抗がん剤治療ではまずほとんどの場合、
○BEP療法(シスプラチン+エトポシド+ブレオマイシン)
を行い、それでも腫瘍マーカーが正常値にならない場合、
○VIP療法(エトポシド+イホスファミド+シスプラチン)
○TIN療法(タキソール+イホマイド+ネダプラチン)
○CN療法(イリノテカン+ネダプラチン)
○超大量化学療法(タキソール+パラプラチン+エトポシド+イホスファミド)
等を行います。それでも腫瘍マーカーが正常値にならない場合は、救済治療として
私の場合、2011年3月三回目の入院時VIP療法を2クール行った後、腫瘍マーカーは正常値になったのですが、右肺にあった約1cmの腫瘍が消えませんでした。
○膀胱癌で使用される GC療法(ゲムシタビン+シスプラチン)
○絨毛癌で使用されるMEA療法(メトトレキサート+エトポシド+アクチノマイシンD)
等を行う場合もありますが、まだ一般的ではないみたいです。
その為、GC療法を5クール行い大きさが約8mmになり、腫瘍マーカーも上がらなかったので摘出手術をすることになりました。
しかし、手術前に腫瘍マーカーが上がりだし手術が中止になりましたので、GC療法では癌細胞を死滅させることはできませんでした。
また癌が完治したら5年間ぐらいは定期健診に行くことになります。
私の場合、1回目に退院して3カ月おきにCTと腫瘍マーカーの検査を行っていました。
しかし、4年後見つかった時には、すでに9cmの腫瘍が肝臓にできていました。
ですので、5年間は2カ月に1回ぐらいの割合で定期検診に行くことをお勧めします。
超大量化学療法は一度に通常の約4倍の抗がん剤を入れる方法で、2004年B大学病院で6クール行いました。
超大量化学療法
白血球の減少が激しい為にまず先にBEP療法を2度行い、白血球が回復して上昇時に 末梢血幹細胞採取(自分の白血球の卵の採取) を行います。
その幹細胞を超大量化学療法の1クールごとに輸血して戻します。
副作用は吐き気・高熱・口内炎・しびれと他の療法よりもかなりきつい治療でした。
しかし2009年に再入院した時には、副作用の大きさに比べ奏効率(治療の実施後に癌が縮小したり消滅したりする患者の割合)がそんなに高くないという理由で、B大学病では超大量化学療法は行われなくなり、その代りの治療としてTIN療法ができていました。
トップ 入院編 入院お役立ち編
B小腸・肝臓部分切除手術
私は1回目の入院の時、BEP療法2クール+超大量化学療法6クールの治療で、腫瘍マーカーが正常値になりました。
5cmあった後腹膜(小腸の外側)と肝臓の腫瘍は約1cmになり、それ以外の数十個の小さい腫瘍はほとんど消滅し、2004年12月に 小腸・肝臓部分切除手術 を行いました。手術前に腫瘍マーカーが上がらないか確認と体力回復の為、1か月の休養期間がありました。
半年以上ずっと入院生活だったので、家族と一緒に暮らせるのがこんなにも幸せなことなんだと感動したのを今でもよく覚えています。手術は後腹膜(小腸の外側)と肝臓の腫瘍を切除する為、小腸1mと肝臓1/15と胆のうを切除し約10時間かかりました。
傷は、縦に胸の下ぐらいからへその下約25cmと右横に約20cmあり、体中から10本ぐらい管(くだ)が出ていました。術後の痛みは想像以上の激痛でしたが、痛み止めで多少ましになるので、早め早めに看護婦さんに言って入れてもらったほうがいいです。
あと小腸を切除した為、下痢がひどく始めのうちは食べたものが消化せずそのままでてきました。7年以上たった今でも手術前に比べるとかなり下痢になりやすいです。
3日間ぐらいは激痛で全く動く気がしませんでしたが、手術の次の日から歩かなければいけないのがすごく大変でした。
しかし4日目から少しずつ体が軽くなり、日に日に痛みもましになり、管が減って初めて手術が終わったんだと実感することが出来ました。手術後約2週間で退院できました。
しかし切除した腫瘍の中に生きている癌細胞がいた為、再発予防にVIP療法2クールを行い、無事に退院となりました。
私はその後の再発で、更に肝臓の部分切除手術と右肺の胸腔鏡下手術を受けました。
CWT-1(ペプチド)免疫療法
トップ 入院編 入院お役立ち編
D放射線治療と抗がん剤の併用治療
@放射線治療と抗がん剤の併用治療とは
性腺外胚細胞腫瘍 は 非セミノーマ と セミノーマ の2種類に分けられます。
非セミノーマは放射線治療の効果が低いですが、セミノーマは効果が高く放射線を照射した箇所の癌細胞は約80%の確率で 死滅させることができます。更に 放射線治療と抗がん剤を併用治療 することにより相乗効果で、放射線を照射した箇所は通常の3倍近い効果が期待できるそうです。
私の癌はセミノーマであった為、2011年3月B大学病院に入院時この治療法を希望しましたが、肺の放射線治療は肺炎のリスクが高いという理由で治療を受けることができませんでした。
その為2011年12月 WT-1(ペプチド)免疫療法 の治療後、最新の放射線治療装置があるD病院で左右の肺の腫瘍に対して 放射線治療と抗がん剤の併用治療 を受けることになりました。
放射線治療は癌が肺にある場合に呼吸するたびに動く為、正常な組織にまで余分に照射しなければならず、肺炎のリスクも高くなります。
しかし最新の放射線治療装置では、胸壁の動きと照射のタイミングを同期させ腫瘍が一定の位置にきた時だけ照射できるようになり、正常な組織への照射を最小限に抑えることができるようになりました。放射線治療と抗がん剤の併用治療ではすべての抗がん剤が使えるわけではなく、私の場合はVIP療法でも使用したことのある 「シスプラチン+ エトポシド」 の2剤を入れました。
A放射線治療と抗がん剤の併用治療内容
放射線治療と抗がん剤の併用治療は同じ日に二つの治療を開始しました。放射線治療の1日目は体がずれないように自分専用の型を作り、それから照射する位置決めをして、体にマジックでしるしをつけます。
全部で30分ぐらいかかりましたが、放射線の治療自体は10分ぐらいで終わりました。
ただじっとしているだけで全く痛みとかもありませんでしたので、逆に放射線がちゃんと照射されてるのか心配になるぐらいでした。2日目からは、10分ぐらいただ横になってじっとしているだけで治療は終わりで、私は土日を除く平日に全部で19回行い、放射線治療を終了しました。
抗がん剤治療は1日目に「シスプラチン+ エトポシド」の2剤入れ、2・3日目はエトポシド1剤のみで投薬は終了で、1クールは28日でした。
VIP療法の時は3剤を5日間入れすごくきつかったですが、それに比べかなり体は楽でした。
先生の話では大量にいっぺんに入れているだけで、抗がん剤の量自体は同じだそうです。1クール終わった時点で、約6cmあった右肺の腫瘍は約4cmに、約2cmあった左肺の腫瘍は約1cmになり、腫瘍マーカーも正常値となりました。
それから、「シスプラチン+ エトポシド」の抗がん剤を全部で4クール行い、右肺の腫瘍は約2cmに、左肺の腫瘍はほとんど分からないぐらい小さくなりました。
そしてE市民病院で右肺の腫瘍を 胸腔鏡下(内視鏡)手術 で切除することになりました。
術後、切除した腫瘍の癌細胞は完全に死滅していましたので、放射線を照射した腫瘍に対して放射線治療と抗がん剤の併用治療はとても効果が高い治療法でした。
E右肺の胸腔鏡下(内視鏡)手術
2012年4月にE市民病院にて 右肺の胸腔鏡下手術 を行いました。胸腔鏡下手術とは、胸腔鏡という細いカメラを胸腔内に入れて、テレビモニターに映し出される画面を見ながら手術を行う新しい方法です。
従来の開胸手術のように、大きく切開したり肋骨を取ったりしないので、傷・痛みも少なく、入院期間も短くてすみます。E市民病院では肺の腫瘍の切除手術をほとんどこの方法で行っているそうです。
手術は全身麻酔で行い、私の場合約1時間半で終わりました。
右肺の手術でしたので、右わきの下10cmぐらいの位置に2cmぐらいの傷が3箇所あります。手術後の痛みは、私は前回の肝臓の手術の時に通常使われる痛み止めで全身がかゆくなった為、今回は効果の低い痛み止めを使用したこともあり、術後2日間はかなり痛く歩くのもしんどかったです。
しかし3日目からは傷の痛みも大分ましになり、普通に動き回れるようになりました。そして術後5日目には無事退院することが出来ました。
切除した腫瘍の検査結果は癌細胞がすべて死滅していましたが、5月の定期検診で左肺に新たな約1cmの腫瘍が見つかりました。
しかも前回放射線治療した位置と近い為、今回は放射線治療はできないということでした。その為、6月よりD病院でアメリカで精巣癌の救済治療として行われている IrO療法 で現在治療中です。
トップ 入院編 入院お役立ち編
F経皮的肺がんラジオ波焼灼療法
2012年6月 新たに左肺にできた腫瘍は放射線治療が出来ない為、代わりとなる治療を探し、F大学病院に 経皮的肺がんラジオ波焼灼療法 について話を聞きに行きました。
この治療法は、細い針を皮膚から直接肺の腫瘍を刺して電気を通して癌細胞を死滅させる方法です。
同じ肺であれば場所によりますが、1回の手術で2・3個の腫瘍を治療できるそうです。
局所麻酔ででき治療時間は1時間ぐらいだそうで、入院も3日〜1週間ぐらいでいけるそうです。この方法では、転移によって次々と出る小さい癌を繰り返し治療でき、腫瘍の大きさが2cm以下の場合は約80%の確率で癌細胞を死滅させることができます。
しかし、3cmを超えると再発する確率が約50%まで落ちるそうです。私は現在行っている抗がん剤治療で腫瘍が小さくならないようであれば、この治療を併用して治療を受けるつもりです。
しかし、肺に対するラジオ波焼灼療法はまだ先進医療の為保険適応外で治療費はすべて実費となり、1回の治療で約40万円かかります。
また保険適応外の為、この治療を行っている病院はかなり限られています。しかし、もし入られている医療保険に先進医療が付いていれば、厚生労働省の先進医療を実地している医療機関に指定されている病院で治療すれば、治療費は医療保険からでます。
だから、治療をお考えの方は必ず保険会社に確認して下さい。厚生労働省から指定されている先進医療を実地している医療機関
経皮的肺がんラジオ波焼灼療法
北海道大学病院 防衛医科大学校病院 石川県立中央病院 京都第一赤十字病院 四国がんセンター 旭川厚生病院 栃木県立がんセンター 金沢大学医学部附属病院 奈良県立医科大学附属病院 福岡大学病院 手稲渓仁会病院 国立がんセンター 中央病院 愛知県がんセンター 中央病院 大阪市立大学医学部附属病院 熊本大学医学部附属病院 茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター 癌研有明病院 三重大学医学部附属病院 関西医科大学附属 枚方病院 琉球大学医学部附属病院 群馬大学医学部附属病院 聖マリアンナ医科大学病院 京都府立医科大学附属病院 岡山大学病院 敬愛会 中頭病院 *2012年6月現在に先進医療に指定されている病院です
G6月より治療を開始したIrO療法
左肺に新たな腫瘍が出来た為、2012年6月より抗がん剤の IrO療法 で治療を開始しました。
IrO療法とは、日本で精巣癌の患者に対して治療に使われた実績があるか分かりませんが、アメリカで難治性の精巣癌患者に対して行われている救済治療です。
2004年にアメリカで発表された治療実績は、奏効率(治療の実施後に癌が縮小したり消滅したりする患者の割合のこと)40%・長期寛解率(5年生存率)17%だそうです。
前に入院していた病院ではもう薬が無いので、効くかどうか分からない抗がん剤を入れて試すしかないと言われていた私にとっては、すごく希望の持てる数字です。
抗がん剤は 「オキサリプラチン+イリノテカン」 の2剤を使います。
オキサリプラチン は胃がんの抗がん剤として使用されており、特徴的な副作用としては、入れて一週間ぐらい手・足・口にしびれがあり、冷たい物を飲んだり、触ったりすると痛みがあります。
イリノテカン は精巣癌のCN療法で以前入れたことのある薬です。
2週間ごとに一日だけ2剤入れ、1クールは28日です。
また、アメリカではその他の精巣癌の救済治療として 「タキソール+ゲムシタビン」療法(2011年インディアナ大学発表)奏効率31%・長期寛解率12.5% や GEMOX療法(オキサリプラチン+ゲムシタビン) が使われているそうです。
H2012年6月からの治療
6月からの治療内容 2012年6月11日 IrO療法開始(オキサリプラチン+イリノテカン) 左肺の腫瘍が1.5cmに大きくなり、左の副腎に新たに2.5cmの腫瘍が見つかった為、1クールでIrO療法を中止する。 7月18日 副腎に対し放射線治療を10回行い、抗がん剤TS−1を併用する。 副腎は1.5cmと小さくなったが左肺の腫瘍が1.6mmと少し大きくなった為、10月5日に左肺と左副腎の腫瘍を胸腔鏡下手術により切除し、その後新たな抗がん剤カルボプラチン+タキソール+アバスチンで治療することになる。 9月6日 手術まで間が空くので14日間抗がん剤TS-1を服用中
腫瘍マーカーの推移 腫瘍マーカーの種類 5月14日 6月11日 7月6日 8月23日 AFP(正常値10以下) 5.3 4.0 6.2 3.8 HCG-β(正常値0.1以下) 0.9 2.7 2.2 0.1以下 HCG(正常値1以下) 35.3 128 173 26
6月よりIrO療法を開始ましたが 1クール終了後のCTで左肺の腫瘍が1cmから1.5cmに大きくなり、左の副腎に新たに2.5cmの腫瘍が見つかりました。
残念ながら効果が見られないということで薬を変えることになりました。
私は、今までの治療で使ったことのない精巣癌用の抗がん剤はもう無いそうです。
治療の選択肢は、今まで使ったことのある抗がん剤の組み合わせを変えて入れるか、精巣癌での治療実績は無いがほかの癌で実績のある新しい薬を入れるかどちらかでした。
D病院の先生の話では、精巣癌は患者数が非常に少ないので、製薬会社も新しい抗がん剤の開発や治験をほとんど行なっていないのが現状みたいです。
確かに今まで治療に使用した薬は、2004年に入院した時に使ったことのある薬がほとんどで、組み合わせが変わったぐらいでした。
癌細胞は同じ抗がん剤で治療していると薬に対し抵抗力を持ち、効果が低くなっていきます。
先生は今まで使ったことのある抗がん剤では効果が低くなっている為、新しい薬を試した方が治る可能性は高いと思うということでしたので、そうすることに決心しました。
先生が勧めてくれた抗がん剤の療法は3つでした。
@カルボプラチン+タキソール+アバスチン
結腸・直腸がん・非小細胞肺がんに使用されている療法で、アバスチンはがん細胞が持つ特定の分子を標的に、それを動かなくすることでがんの増殖や転移を抑える働きをするのが分子標的薬です。
日本で行われた第2相比較試験では、標準的な化学療法であるパクリタキセル+カルボプラチンの併用療法にアバスチンを併用することで、増悪もしくは死亡のリスクを39パーセント減少させた。ATS-1 胃がん、結腸・直腸がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん に使用されている療法で、進行再発胃がんの治療において、約8割が第1選択薬として使用しています。
飲み薬の抗がん剤でシスプラチンやカルボプラチンと併用することにより効果が上がる。Bアムルビジン 小細胞肺がん、非小細胞肺がんの治療に用いられ、DNAの螺旋構造の間に入り込みDNAを切断し、がん細胞の増殖を抑えます。
小細胞肺がんへの単独投与で奏効率約75%という臨床試験結果があります。一方、非小細胞肺がんは抗がん剤に対する感受性が低いため、他剤との併用療法が行われます。
先生の1番効く可能性が高いと思う抗がん剤の組み合わせは@でしたが、私が副腎の放射線治療も併用して欲しいとお願いした為、放射線治療と相性のいいATS−1と放射線の併用治療を7月18日より行うことになりました。
カルボプラチンも併用したいと希望したのですが、白血球や血小板が下がりすぎると放射線治療を中断しなければならないので今回は無しになりました。
TS−1は飲み薬の抗がん剤で朝・晩2回を4週間飲み続け、その後2週間休薬し1クールが6週間でした。
薬の副作用は、口内炎・下痢・吐き気があり4週間飲み続けられる人は少ないとのことでしたが、幸いにも私は薬による副作用は全くでず,飲みつづけることができました。また入院せずに家で飲めるのですごく楽でした。
放射線治療は左の副腎に10回あてました。前回の右肺の時は全く自覚症状はありまんでした。
しかし今回の副腎は胃に近い為、吐き気があり食欲も6割ぐらいに下がりました。
また治療中に風邪をひいた為、咳と痰がひどくて、咳といっしょに1日2〜3回吐いてしまいました。
しかし、治療が終わった2日後には吐き気も無くなり、食欲も戻りました。
1クール後のCTによる検査の結果は、副腎の腫瘍は2.5cmから1.5cmまで小さくなっていました。
しかし、肺は1.5cmから1.6cmと少しだけ大きくなっていました。その為、小さいうちに左肺と副腎の腫瘍を胸腔鏡下手術で切除してしまい、それから予防の抗がん剤治療を行うことになりました。
手術は10月5日に右肺の手術をしたE市民病院で行なうことになり、手術前にほかに転移が無いか調べるためにPET検査をしました。
結果は他に転移は無く、PET検査では癌細胞が活動していると光るのですが、肺・副腎の腫瘍は全然光っていませんでした。
また8月23日に採血した腫瘍マーカーの結果は、HCG(正常値1以下)が173→26と下がり、HCG-β(正常値0.1以下)は2.2→正常値の0.1以下になっていました。
左肺の腫瘍には、放射線治療を行っていず少し大きくなっていた為、HCG−βが正常値になっているとは思っていなかったのですごくうれしかったです。
D病院の先生は左肺の腫瘍少し大きくなっているので、手術後の抗がん剤を@に変更した方がいいとのことでした。
しかし、私は腫瘍マーカーが正常値まで下がっていたのとPET検査で全然光らなかったので、薬の効果が出ていると思います。
手術まで日にちが空くので、9月6日から14日間TS−1の薬を引き続き飲むことにしました。後手術前に腫瘍マーカーとCTの検査をしてもらい、その結果を見てから術後の薬を先生と話し合って決めようと思っています。
結果が出ましたら、またホームページを更新して報告いたします。
ホームページの入院編を最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
入院お役立ち編では、今までの長い入院生活でとても助けられた食べ物・グッズ・歌・話等を載せておりますので、引き続きご覧ください。